相場が動いた日

コロナショック(2020年3月)|為替が壊れた数日間

2020年3月、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、金融市場は歴史的な混乱に陥りました。株式が暴落し、為替も激しく乱高下したこの数日間は、自動売買を運用する人にとって、多くの教訓を残しました。この記事では、あの局面を振り返り、EA運用の備えを考えます。

何が起きたのか

2020年2月末から3月にかけて、感染拡大への恐怖が世界中の市場を襲いました。株価が連日で大幅下落する一方、為替市場でも極端な値動きが続きました。

特徴的だったのは、「安全資産」とされるものまで一時売られたことです。パニックのなかで、投資家が現金(特に米ドル)を確保しようと、あらゆる資産を換金する動きが起きました。普段の「リスクオフなら円高・ドル安」といった経験則が通用しない場面もあり、多くの参加者が想定外の動きに翻弄されました。

値動きの幅(ボラティリティ)は平常時をはるかに超え、相場は数日間にわたって荒れ続けました。

なぜ自動売買にとって危険だったのか

コロナショックのような局面は、EAにとって複数の意味で危険でした。

  • ボラティリティの急拡大:平常時を前提にしたEAの設定が、まったく合わなくなる
  • 経験則が通用しない:過去データから学んだパターンが崩れ、想定外の方向に動く
  • スプレッド拡大・約定悪化:混乱時は取引コストが跳ね上がり、損切りも滑りやすい
  • 一方向の急変が連日続く:ナンピン・逆張り系は含み損が膨らみ続けた

淡々とルール通りに動くEAは、「今は異常事態だから慎重に」とは考えません。過去の平常な相場を前提に作られたEAほど、この種のパニック相場では脆さを露呈しました。

共通する教訓:異常時は「避ける・止まる」

コロナショックは、スイスフランショックや為替介入と並ぶ「相場が壊れた」事例です(参考:スイスフランショック / 日銀の為替介入)。形は違えど、共通する教訓があります。

それは、こうした異常時に無理に取引を続けないことです。過去のデータに基づくEAは、データにない事態が起きたとき、最も弱くなります。だからこそ、

  • ボラティリティが異常に高いときは、そもそも張らない
  • レバレッジ・ロットに余裕を持ち、急変に耐えられるようにしておく
  • 危険が高まった局面では、EAの稼働を控える・止める

といった「守り」が、生き残るための現実的な備えになります。

運用者が学ぶべきこと

  • 平常時の設定は、異常時には通用しないことがある
  • 経験則(安全資産は買われる、等)が崩れる場面がある
  • 異常なボラティリティのときは、取引を控える判断が有効

私たちが DaVinci Alpha で「AIが見張る」という役割を置いているのは、まさにこうした異常時を意識してのことです。当てにいくより、危険なときに手を止められることが、パニック相場を生き延びるうえで重要だと考えています。

よくある疑問

Q. 大きく動く相場はチャンスでは? A. 利益の可能性もありますが、経験則が崩れる異常時は、外したときの損失も甚大です。淡々と撃つEAにはリスクの側面が大きくなります。

Q. どう備えればいい? A. ボラティリティが異常なときは取引を控える、レバレッジに余裕を持つ、危険時に止まる設計を使う——といった守りが現実的です。

Q. パニックは予測できる? A. 正確な予測は困難です。だからこそ「予測」より「異常を検知して避ける・止まる」ほうが有効です。

まとめ

コロナショックは、「異常時には平常の前提も経験則も崩れる」という現実を突きつけました。自動売買では、当てにいくより、危険な相場を避ける・止まることが、退場を防ぐ近道です。生存率という考え方は こちら で詳しく解説しています。


※ 本記事は過去の市場イベントの振り返りであり、特定の投資判断を助言するものではありません。FXおよび自動売買には損失が生じる可能性があります。将来同種の変動が起きること・起きないことを保証するものではありません。

「退場しない設計」について、まずは無料で受け取る。

ほかの記事を読む

次に読む