EAの選び方

「月利◯◯%」の広告を疑うべき理由|数字の裏にある前提を見る

「月利10%」「月利20%」——EAの広告でよく見かける数字です。単純計算すれば、資産が数年で何倍にもなる魅力的な数字に見えます。しかし結論から言えば、この数字だけを見て判断するのは危険であり、その裏にある前提を確認しなければ、実態は分かりません。この記事では、なぜ月利の数字を疑うべきなのかを整理します。

月利という数字が意味すること・意味しないこと

まず、月利という表示が何を示しているのかを整理します。

  • 月利は「ある期間に、どれだけ資産が増えたか」を示す実績値のひとつにすぎない
  • その数字が「バックテスト」なのか「実運用」なのかで、信頼度はまったく異なる
  • 高い月利を一度出したことと、それを安定して継続できることは別問題

つまり、「月利◯◯%」という一言だけでは、その数字がどれだけ再現性のあるものかは判断できません。

高い月利の裏にあるリスク

月利が高いEAには、多くの場合、次のような特徴が隠れています。

  • 高いロットで運用している(=ドローダウンも同じ比率で大きくなりやすい)
  • ナンピン・マーチンゲール的な手法で、含み損を抱えながら見かけの成績を維持している(ナンピン・マーチンゲールの落とし穴
  • 短期間のたまたま良い相場に恵まれただけで、長期の実績ではない

高いリターンは、多くの場合、高いリスクとセットです。「月利だけ高くて、リスクは低い」という都合の良い組み合わせは、現実には稀です。

見るべきは月利だけではない

月利の数字を評価するには、少なくとも次の情報とセットで見る必要があります。

  • 最大ドローダウン:その月利を出す過程で、どれだけの下落があったか
  • 期間:一時的な好成績なのか、長期間の実績なのか
  • バックテストか実運用かバックテストを信じてはいけない理由 にあるように、両者は大きく異なる
  • 勝率と損益比勝率90%でも負ける理由 が示すように、月利だけでは中身が分からない

月利という一つの数字だけを切り取って判断するのは、車を買うのに「最高速度」だけを見て、燃費や安全性を見ないようなものです。

「不労所得」を匂わせる表現にも注意

月利の広告と一緒に、「ほったらかしで稼げる」「不労所得」といった表現が使われることがあります。こうした表現には注意が必要です。

  • 自動売買であっても、監視や見直しは必要(完全な放置は推奨されません)
  • 相場は常に変動し、過去の月利がそのまま続く保証はどこにもない
  • 「ほったらかし」を強調する広告ほど、リスクの説明が薄いことが多い

EA販売者の“地雷”サインの見抜き方 でも触れているように、こうした表現が多用されている場合は、他の情報もあわせて慎重に確認する姿勢が大切です。

数字を見る時の実務的な視点

月利の広告に接した時、次の視点でチェックすると判断材料が増えます。

  • 最大ドローダウンの数字が併記されているか
  • バックテストと実運用の実績が区別されているか
  • 実績の期間が十分に長いか(数ヶ月ではなく、できれば1年以上)
  • 「絶対」「保証」といった言葉が使われていないか

これらが揃っていない、あるいは意図的にぼかされている場合は、その月利の数字を額面通りに受け取らないほうが賢明です。

よくある誤解

Q. 月利が高いEAは、優秀なEAと言える? A. 月利の高さだけでは判断できません。ドローダウンや実績期間、バックテストか実運用かをあわせて確認する必要があります。

Q. 実運用の月利なら信頼できる? A. 実運用であっても、期間が短ければたまたま良い相場に恵まれただけの可能性があります。十分な期間の実績かどうかを確認してください。

Q. 月利の数字自体が嘘ということ? A. 数字自体が虚偽とは限りません。問題は、その数字が「どんな条件で」「どれだけのリスクを取って」出されたものかが伝えられていないことです。

まとめ

  • 「月利◯◯%」という数字だけでは、EAの良し悪しは判断できない
  • 高い月利の裏には、高いドローダウンやリスクの高い手法が隠れていることが多い。
  • 月利は、最大ドローダウン・実績期間・バックテストか実運用かとあわせて見る必要がある。
  • 「不労所得」「ほったらかし」を強調する表現には、特に注意が必要。

魅力的な数字ほど、その裏にある前提を確認する姿勢が、失敗しないEA選びの基本です。


※ FXおよび自動売買には損失が生じる可能性があります。本記事は一般的な解説であり、特定の投資判断を助言するものではありません。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。

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